ご相談をいただいたのは、長野市内の戸建住宅にお住まいの方からでした。
最初に言われた言葉は、今でもはっきり覚えています。
「雨の日に外階段が少し滑るんです。でも、せっかく気に入っている外観なので、テープが目立ったり、色が変わるのは避けたくて…」
安全性への不安と、見た目へのこだわり。
この二つをどう両立させるかが、今回のテーマでした。
現地での違和感・初期判断|危険なのは“段の中央”
現地で外階段を確認すると、素材はコンクリート。
欠けや大きな劣化はなく、一見すると問題がない状態です。
ただ、実際に歩いてみると、踏み面の中央だけがツルッとする感覚がありました。
長年同じ場所に足がかかり続け、表面が磨かれたような状態になっていたのです。
コケや藻が原因ではなく、「摩耗による滑りやすさ」だと判断しました。
比較した選択肢|あえて選ばなかった方法
安全対策として考えられる方法はいくつかあります。
・黒や色付きの滑り止めテープを貼る
・階段表面を削って粗くする
・色付きの滑り止め塗料を塗る
・ノンスリップ金物を取り付ける
ただし、どれも見た目が大きく変わる可能性がありました。
お客様の「雰囲気を壊したくない」という言葉を考えると、今回は最適とは言えません。
判断軸と意思決定|安全と景観の両立
今回の判断軸は明確でした。
・雨の日の転倒リスクを下げる
・外階段の印象を変えない
・将来、元に戻せる方法であること
この条件をすべて満たす方法として浮上したのが、透明タイプのノンスリップ施工でした。
最終判断と条件付きの結論|スリップバスターズを採用
最終的に選んだのは、ノンスリップ剤「スリップバスターズ」による施工です。
事前にお伝えした条件は以下の通りです。
・完全に無色透明だが、光の当たり方で質感は少し変わる
・汚れが溜まれば効果は落ちるため、定期的な清掃が必要
・魔法のように“絶対滑らない”わけではない
これらを理解いただいた上で、「今より安心できるなら」と施工を決めました。
施工内容と現場の工夫|下地づくりがすべて
施工で最も時間をかけたのは、実は下地の洗浄です。
目に見えない砂や粉じん、皮脂汚れを丁寧に落とさなければ、ノンスリップ剤は定着しません。
踏み面ごとに状態を確認し、特に摩耗が進んでいる中央部分を中心に施工範囲を調整しました。
全面一律ではなく、「必要なところだけ」に絞ったのもポイントです。
仕上がりとお客様の反応|「言われないと分からない」
施工後、乾燥を待って一緒に確認しました。
「え、どこを施工したんですか?」
それが最初の反応でした。
見た目はほとんど変わらず、歩いた瞬間にだけ、足裏の引っかかりを感じる。
「これなら雰囲気もそのままで安心ですね」と言っていただけました。
同じ悩みを持つ方へ|“滑る=工事”とは限りません
外階段が滑る原因は、劣化・摩耗・汚れなど様々です。
必ずしも大掛かりな工事が必要とは限りません。
まずは、「どこが」「なぜ」滑るのかを整理すること。
そこから対策を考えるだけでも、選択肢は大きく変わります。
現場を想定したQ&A
Q1. 見た目は本当に変わりませんか?
A. 完全に同じではありませんが、施工したことが分からないレベルです。
Q2. 雨の日の効果は?
A. 水がかかっても摩擦が残り、滑りにくさを感じやすくなります。
Q3. テープと比べてどうですか?
A. 剥がれや段差が出ない点で、見た目重視の方には向いています。
Q4. どれくらい持ちますか?
A. 使用頻度や清掃状況によりますが、定期的なメンテナンスが前提です。
Q5. 施工できない素材はありますか?
A. 状態によっては難しい場合もあります。現地確認が必要です。